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Vol.07

「先輩×後輩クロストーク 京大職員の仕事論」

2022.01.31掲載

浅井 拓郎

Asai Takuro浅井 拓郎

医学研究科総務企画課予算掛
<2011年4月採用・主任>
業務内容:予算を獲得すること、医学研究科内の予算の編成。現在、ノーベル賞受賞者の本庶先生がセンター長をされているがん免疫総合研究センターの組織整備のため、国に予算要求を行っている。

竹田 ちなみ

Takeda Chinami竹田 ちなみ

企画部企画課企画掛
<2020年4月採用・掛員>
業務内容:京都大学と海外の大学等が共同で設置する研究室の立ち上げに関する業務、学内の研究所等が共同利用・共同研究拠点として文科省に認定されるための認定申請書及び認定されている拠点が毎年文科省へ提出する実施状況報告書の作成・提出。

青木 雄介

Aoki Yusuke青木 雄介

人事部人事企画課南西地区人事掛
<2021年4月採用・掛員>
業務内容:教職員の採用手続きや辞職手続き、通勤手当や住居手当の認定、教職員の勤怠の管理等。

所属・役職等は取材時のものです

本日はどうぞよろしくお願いします。

みんな

よろしくお願いいたします。

それでは早速ですが、現在の職場の雰囲気を教えてくれますか?

浅井

今私がいる課は、医学研究科の官房ということで、一つの課に予算だけでなく人事、施設、総務など、いろんな掛が一つの場に集約しています。なので、結構部屋のあちこちでバリエーションにとんだ会話が日々飛び交っていますね。わいわい賑やかな雰囲気だと思います。

竹田

私が所属している企画掛は比較的若い職員が多く、すごく話しやすいです。困ったことがあっても、気兼ねなく相談ができるため、とても良い環境で働けていると思います。

青木

僕の職場は竹田さんとは逆で、年上の方が多くて、同年代が少ないんです。僕は関東出身で、京都大学の就職を機に関西に来たのですが、皆さん僕の生活面とかも気遣ってくださっているなと感じています。たまに「家族みたいだな」と思う事もあります。

浅井さんは先輩という立場になりますが、先輩からみた後輩ってどういう印象を持ってますか?

浅井

「よく考えて仕事しているな」っていう印象があります。仕事が分からない時って作業に終始してしまうと思うんですけど、自分なりに「何でこんなことをしているんだろう」「もうちょっと効率的にできないかな」とか考えて意見してくれるので、自分にとって刺激になっていますね。

後輩と接するうえで大事にしていることとか、気を付けていることはありますか?

浅井

自分としては、いろいろ言いたくなる気持ちもあるんですけど、考えてもらわないといけないので、1から10全て言わずに、後輩自身が考えられるような「きっかけ」を伝えられるように意識しています。

竹田さんと青木さんは、後輩として先輩・上司と接していく上で、意識していることや気を付けていることはありますか?

竹田

相談を逐一するようにしています。例えば、資料を作成する場合であれば、資料を作り込んでからではなく、ある程度できた段階で「今ここまで出来ました」「この後、Aプラン又はBプランがあると思うんですけど、どっちにした方がいいですか?」といったように進捗状況を報告したうえで、方向性に間違いがないか確認・相談するようにしています。

青木

僕も同じように、仕事で迷ったり、「あ、やばいな」って少しでも思ったら、すぐ相談するようにしています。あと、なんでもかんでも上司に聞くのではなく、まずは自分でマニュアルをみたり、調べたりしてから、「これってこういう事ですか?」って、自分の見解も含めながら質問するようにしています。

今マニュアルの話がありましたが、今の職場でマニュアルとかはしっかりとあるんですか?

青木

そうですね。僕のところは、しっかりとありますね。

竹田

逆に私のところは、ないですね。なので、どうやって作業をしていたのかというのを過去のデータをある程度参考にしながら、自分でアレンジして作業していることが多いです。

浅井

マニュアルは一応あるんですけど、実は予算掛って、あまり定型的な業務が少ないんです。なので、マニュアルや過去資料を参考にしつつ、「もっとこうしたほうがいいんじゃないか、ああしたほうがいいんじゃないか」って相談をしながら仕事しています。

そうなんですね、勝手に財務系は定型的な業務が多いと思っていました。

浅井

実はすごく業務の幅があります。決算とか、物を買う手続きとかは、きっちりルールや手順が定まっているので、ルーティン化しますが、予算となると企画要素があるので、決まりきったものをこなしていくというよりは、状況を見ながら臨機応変に対応することの方が多いですね。

次に京都大学に決めた理由を教えてください。

青木

僕は学生や研究者、研究施設とかのレベルの高い環境で、自分が職員として働くことで、間接的に社会貢献でき、やりがいを感じれるんじゃないかと思って京都大学に決めました。あとは、大学職員を目指す中で京都大学の面接や採用担当の職員と話していて、職員の人柄がよくて、みんな仲良く感じたのも理由の一つです。あとは、ちょっと関西に住んでみたいなと思っていたので。

関東から関西への移動って大きな決断ですよね?

青木

実は、祖父母が兵庫県に住んでいるので、小さな頃から関西にはよく来ていました。なので、もともと関西に住みたいなと思っていたので大きな抵抗はなかったです。

竹田

私は青木さんとは逆で、実家が関西で、実家からあまり離れたくなかったので、関西圏で働けるというのが京都大学に決めた理由の1つです。あと、部署異動が2-3年に1回あるというのを採用説明会で聞いて、すごく魅力に感じたことや、実際に面接を受ける中で、採用担当の職員や面接官とすごく話しやすかったので、働きやすい職場なのかなというイメージが持てたのも理由です。

2-3年に1回の異動ってプラスと捉える人もいれば、マイナスと捉える人もいると思うんですけど、竹田さんはなぜプラスに思ったんですか?

竹田

私は飽きっぽい性格なので、同じ部署で同じ業務をするというのは、自分には向いてないなと思っていました。飽きずに⾧く働くことを考えると、様々な業務を経験していく方が新鮮な気持ちで働き続けることができると思ったので、2-3年で異動することはプラスだと思いました。

浅井

僕は社会をよりよくするには、学生や研究者等の人材育成や、教育や研究の環境を整える大学は大事な機関だと思っています。それらをサポートする大学職員の仕事に興味をもったのが最初のきっかけです。そして、私も地元が京都なので、地元で働きたいなっていうところで京都大学を志望しました。ただ、就職活動の時点では、幅広い大学職員の業務のなかで、明確に「この仕事がやりたい!」というのはなかったんですけど、最終的に、「どこに行くかというよりは、行ったところで自分がどう頑張るか次第」だと思って、京都大学で働こうと決めました。

ちなみに、浅井さんは入職してからずっと財務系という比較的珍しい経歴かと思うのですが、そこで何か感じることはありますか?

浅井

財務系だけとなると、すごく狭い世界のように聞こえるんですけど、先程も少し話した通り、財務の中でも幅があるんです。それこそ予算確保だけでなく、調達の手続きや、今は部局の予算編成も行っています。一つの系統の中でも幅広いなっていう印象はありますね。

入職前と入職後で感じたギャップは?

竹田

入職前は、大学職員はパソコンに向き合って静かに仕事をするというイメージが強かったんです。でも、私が所属している掛では、常に誰かと誰かが話していたり、打合せで席を外していたり、入職前に抱いていた大学職員のイメージとは異なっていたので、結構驚きました。

青木

実は僕の大学時代の先輩に大学職員になった方が多いんです。皆さん、私立大学の職員の方なんですけど、先輩からいろいろと職場の雰囲気の話等を聞く中で「国立は堅いし、私立と違うんだろうな」と思っていました。でも、実際に入ってみると、先輩から聞いていた話とあまり変わりなくて、わいわい賑やかで、職員同士もすごく仲が良くて。面接の時に職員の仲の良さは感じていたんですけど、実際に入ってもそう思えたのが、すごく良かったです。

浅井

思ったより仕事一色の人が少ないなって思いました。平日は頑張って、休みの時は楽しみに没頭する人が多いなと思います。入職前は「堅い仕事なので、仕事に邁進する人が多いのかな」と勝手に想像していたんですよね。でも、早く帰る時は早く帰って平日でも何か楽しみがある人は楽しんでる。前の所属でも「楽しみはカレー屋巡りだ!」っていう先輩が隣にいて、仕事の書類の横にカレーの雑誌が積んでありました。「京都のカレー屋を順番に回ってるんや」って言ってましたね(笑)

趣味って大事ですよね。そんな浅井さんはオフの日って何をされているんですか?

浅井

職員で構成された野球サークルに参加しているので、草野球をしたりしています。その他にはカメラとか、釣りにもはまっていて、お出掛けの時にはカメラ片手に写真をとっています。釣りも、小さい子どもがいるので、あんまり好き勝手行けないんですけど、妻の実家が海の近くということもあって帰省したときは、釣りばっかりしていますね!

今いい面でのギャップを教えてもらいましたが、逆に悪いギャップはありましたか?

浅井

想定していたより残業は多いなと思った覚えがあります。特に、採用された当初の配属が、本部だったので多かったですね。

青木

そうなんですね。逆に僕は残業がなくて。たぶん上司が、僕の仕事の進捗状況を見て、仕事を振ってくれているからだと思うんですけど。いつも定時に帰っています。

竹田

残業は時期によって差がありますね。特に1年目の時は仕事に慣れていなかったので、残業時間は多かったと思います。でも、2年目は慣れてきたこともあって1年目の頃に比べるとかなり少なくなりました。

残業は部署や繁忙期によって差が出てきますよね。それでは、実際に働いてみて感じる仕事の難しさ、苦労していることってありますか?

浅井

「自分にとっての当たり前は、相手にとっての当たり前じゃない」ということですかね。当然かもしれないんですけど、それが一番難しいなと思います。大学には様々な業務をしている職員だけでなく、学生や教員がいます。立場が変われば、当然考え方も変わりますし、それぞれが重要視していて、押さえたいポイントって絶対違うと思うんです。その中で、相手に合わせすぎてもダメですし、自分を主張しすぎてもダメですし。バランスをとるのは難しいなと思いますね。

青木

「知らないことが多い」というのが今一番苦労していることです。教職員の採用手続きをするにあたって、制度や規則の細かいところまでしっかりと理解したうえで手続きをしないと、ミスが出てくるので。他にも外国人研究者として雇うにあたって、在留資格や安全保障輸出管理について、細かいところまで確認をとらないといけないので、理解するのに苦労しています。

その苦労していることに対して、自分なりの対策ってあったりしますか?

青木

自分がミスしたところは、次はミスをしないように、自分で自分のミス集を作って、それを定期的に読み返すようにしています。

竹田

私は、自分の考えを相手に正確に伝えること、逆に相手の考えを正確に理解することに苦労しています。当たり前のことかもしれないんですけど、浅井さんもお話しされていたように、大学には多種多様な方々がいて、言葉の受け取り方は人それぞれ異なるんですよね。なので、例えば何かを依頼する時には、依頼される側の立場に立って、説明は不十分ではないか、求めていることが正確に伝わるか、ということを意識するようにしています。

今後の目標を教えてください。

青木

漠然としたイメージしかないんですけど、何かのプロフェッショナルになれたらいいなと思います。例えば、今は人事にいるので採用手続きや給与のプロフェッショナルみたいな感じで、「あの人に聞けば問題ないよ」って頼られる存在になりたいなと思っています。

竹田

一番身近な上司の存在に憧れがあります。その上司を見ていて思うのは、すごく相手の立場に立って物事を考えているなということです。そして他部署の方々から問い合わせや相談をよく受けていて、頼られている姿をよく見ます。なので、私も上司のように相手を思いやり、頼りにされる存在になれたらと思います。

浅井

様々な部署を経験して、目標とする先輩や上司はたくさんいるんですけど、共通事項を考えると、皆さんアンテナを張り巡らせて、大局的な目線をもって考えているなと思うんです。自分も自分の担当業務とか掛に囚われずに守備範囲の広い職員になりたいなとは思いますね。

ありがとうございました。それでは最後にどんな人に入って来てほしいか、そして採用応募者へのメッセージをお願いします。

青木

何事にも臆せず、チャレンジできるような人が、京都大学に入ってからも仕事でしっかりと成果を残していける人だと思います。なので、是非そういう人に入ってきて欲しいです。そして、京大の採用面接の時は「何をしてきたか」というよりも、人柄とか人間性というのを見られていた気がしました。実際、入職後も、自分自身が職場にあっているなと感じたので、自分の素を出して面接に臨んでもらえたらと思います。

竹田

素直な人に入ってきてほしいなと思いますね。分からないことを分かったふりをして進めるのではなく、分からないことはしっかり伝えてコミュニケーションを取りながら仕事が出来る方がいいなと思います。そして、私は就職活動時に不安になって「私を採用してくれるところはどこだろう」と考えてしまった時期がありました。でも、「自分に合ったところはどこだろう」という考えで就職活動に取り組んだら良い方向に進んだので、採用試験などでも自分を飾らず、思っていることは素直に伝えた方がいいと思います。実際、働き始めてからも、自分に合ったところであれば、しっかり働けると思うので、是非そういう気持ちで就職活動を進めていってほしいです。大変なこともたくさんあるかと思いますが、頑張ってください。

浅井

自分の軸というか、基準をしっかり持っている人がいいなと思います。仕事をしていると、イレギュラーな事や臨機応変に対応しないといけないことって多々あると思うんですけど、その中でも自分のスタンダードといえるものがちゃんとしている人はいいなと思います。そして就職活動をするにあたって、当然希望とか、優先順位ってあると思うんですけど、「どこに入りたいか」「どこに行くか」という事だけではなくて、入った場所で「どう仕事したいか」「どう頑張りたいか」というのを考えて欲しいなと思いますね。人によっては、それが京都大学じゃないっていう人もいるかもしれないんですけど、その場所が京都大学で一緒に働くことができたらいいなと思いますね。