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Vol.06
ノーベル賞受賞 山中伸弥教授へインタビュー
「世界最先端の研究者から見た京都大学職員」
2019.02.19掲載

01
京都大学で働く魅力は何だと思いますか。
京都は鴨川など美しい自然がたくさんあり、あらゆるものに伝統の重みを感じます。このような街で最先端の研究ができるという、京都大学ならではの環境を大変気に入っています。
また、京都大学には、国内だけではなく海外からも優秀な学生・研究者が集まっており、様々な分野で世界レベルの学術研究を行っています。京都大学iPS細胞研究所(以下、CiRA)でも、ベテラン・若手の研究者たちが情報や意見の交換を行い、世界に向けて優れた研究成果を発表できるよう日々切磋琢磨しています。このような世界水準の研究ができる環境の素晴らしさは大きな魅力だと思います。
CiRAでは、2010年4月の開所当初から「iPS細胞の医学応用」を目標にずっと走り続けています。2017年にiPS細胞を使った創薬研究としてFOP(進行性骨化性線維異形成症)の治験が開始され、2018年にはiPS細胞を用いたパーキンソン病治療に関する治験が始まりました。iPS細胞を使った新しい治療法を一日でも早く患者さんに届けられるよう、京都大学医学部附属病院と連携をとって慎重にかつ迅速に研究を進めています。このように治験までスムーズに進んだのも、京都大学の環境のおかげだとつくづく感じています。

02
京都大学職員に対して、どのような印象をお持ちですか。
また、京都大学職員とどのように接しておられますか。
職員の皆さんのサポートなしでは、研究活動はできません。私たちの研究を支えてくれている職員の皆さんにいつも感謝しています。
2017年にCiRAは第3研究棟を竣工しました。第3研究棟には、医療に使用可能なiPS細胞を作製する細胞調製施設FiT(Facility for iPS Cell Therapy)が設置されていたり、オープンラボや培養室も設置されています。この研究棟の竣工により、iPS細胞を使った医療応用や基礎研究の推進が益々期待されます。
このような研究棟の建設において、設計段階から工事、竣工まで長期的に取り組んでくれたのは、職員の皆さんです。我々研究者が、最先端の研究を行えるように、省庁関係や建築関係の方々、研究者等と調整し万全の設備や環境を整えてくれました。もちろん私もこのために、職員の皆さんと話し合いを重ねました。やりがいをもって熱心に取り組んでくれている姿を見て、とても心強く思いました。素晴らしい職員の方々に支えられて、研究活動ができていると強く実感しています。
